性格は変えることができるかと一度は悩まれた経験がある人は多いだろう。私は性格を変えることはできると思う。

聞き慣れない方も多いと思うがペルソナとは人の社会的な部分の性格のようなものと理解いただければと思う。

ビジネスシーンで度々訪れる場面。会議で上司が話はじめると、それが時代遅れで退屈なものだったとしても話を遮って、効率よく仕切り始める者は居ない。その常識を破って、上司の話に対して疑問をぶつける新参者が現れたとしたら、周囲の人はそれをどのように評価するだろうか。皆がそれぞれその時に状況に応じて適切だと思える仮面を作り上げて生きている。少なくともこの現代社会、どれだけ少ない人でも五つ以上の仮面を使い分けているだろう。

家族やごく限られた交友関係であればある程度自由に自分を表現することができるが企業組織では上手く人と接することができないという悩みはよく聞く。上手く自分の意思を伝えきれず苦笑いでその場をやり過ごしてしまった経験がある人もいるだろう。けれどその笑顔で優しい雰囲気はあるものの、企業組織では自己表現が乏しい印象を周囲に与えてしまう。なぜ自己表現できないのか、それは受け入れられない可能性がある状況で自己表現して失敗することのリスクやそれに伴う不安からきている。

なぜ社会的な性格を変える必要があるのか、自分ではない自分を作るということ。自分の大事にしている価値観で作り上げた社会的な仮面は、それが受け入れなかった時の痛み悲しみは非常に大きなものになると思う。

ペルソナと自らの個性を明確に切り離すことができないでいる人は実に多い。卵が殻と白身と黄身に分かれているように、黄身を守るためには上質な白身と殻を持つ必要がある。むき出しの個性を否定されないように社会に受け入られるための仮面。自分であって自分でない性格を上手く作り上げることが必要になる場面は非常に多い。企業で働くビジネスパーソンだからこそ、改めて現状使い分けているペルソナと自らの個性、コミュニケーション能力について再学習してみることは個性を最大限に発揮するための重要なプロセスになることだろう。

ただ社会的な性格はその場に応じて臨機応変に仮面を変化させることができる。まるで、映画俳優が作品によって自由自在に演技を変化させるように自由自在に変えることができるのである。ただ、大切なことが個性の認識が未分化な状態でペルソナで自分を固めてしまうと演技に飲み込まれて自分を見失ってしまうこともあるということだ。会社での社会的な性格を家に帰った際も家族に同じように振る舞ってしまうことや、社会的な仮面を自由自在に外すことができなくなってしまうとそれはもはや仮面ではなくなってしまう。

仮面に飲み込まれることのない確固たる個性を備えるためにも社会的に受け入れられやすい仮面を作ることが必要なのだ。

あなたは社会で生きるためにどのくらいの仮面を使い分けているだろうか?

本当の自分とはなんだろうか?仮面と自我をどのように意識しているだろうか?

そして、どのような距離感を保っているだろうか?

 

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