心理テストを信じてしまう心理 

ボード心理テストにはその一つ一つのパターンに関する特徴を記載する傾向があります。しかし、これは誤った認識を与える可能性が高いのです。なぜなら、人は特徴をあげられると自分がどの特徴に近いかということに執着してしまうからです。

特徴や分類を見て、「自分はどちらにも当てはまるな」と思ったり、「私は、この型に違いない」と思われた経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。

目次

1-1 心理検査があたっているように感じる3つの心理現象

テスト

血液型性格分類などを例に科学的根拠がないとされるにもかかわらず当たっているように感じる理由として、以下の心理現象が挙げられている。

バーナム効果
誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な性格をあらわす記述(他人から好かれたいと思っているなど)を、自分だけに当てはまる正確なものだと誤解してしまう現象。
確証バイアス
自分の信念を裏付ける記述のみを重視し、それに反する情報を軽視してしまうという現象。
予言の自己成就
根拠のない記述であっても、それを信じて行動するとその記述通りの結果が生じてしまうという現象。これらの現象は血液型性格分類以外の様々な性格テストや占いにおいて同様に生じることが知られています。

1-2 例えば「あなたの視力は0.3です」と言われたとします

目を見開く

視力が0.3の人の特徴としては

  • 中学校等の学校検眼でいえばCランクにあたります。
  • 少し気を抜けば視力0.1以下の強度近視に視力低下する可能性があります。
  • 幼児や小学生低学年の場合仮性近視の場合もあります。
  • 0.3であれば自動車の免許更新時の視力検査で通過できるギリギリのラインです。
  • 近眼の場合は遠くを見るときだけ眼鏡を装用していればよいレベルです。
  • 子ども場合学校の授業時だけ眼鏡を使用するばよいレベルです。

などなどほかにもたくさんあります。

どうですか?特徴を並べると自分がこの特徴に当てはまっているのかに集中してしまいます。

そもそも視力1.0の以上の方にとっては単なる情報にすぎなかったかもしれません。自分の視力が0.3以下かということより特徴を意識してしまい、特徴のおまけとして0.3以下が存在してしまう。

1-3 見えるものや数値化できるものは改善方法も得やすい

眼鏡

ですがこれでいいのです。日常生活の中で科学的に数値化できるものや改善方法がはっきりしているもの、見ただけで判断できるものというのは特徴に当てはめて当然なのです。0.3であれば、眼鏡やコンタクトを使用する、レイシックの手術を受ける方もいるかもしれません。また、見えにくことが理解していますから、運転する際や外に出かける際は眼鏡やコンタクトを着用するかもしれません。また、視力が0,3以下である原因を考えてみても、遺伝、栄養不足、疾患等ある程度科学的な根拠に基づいて認識することができるかもしれません。

しかし、「心の問題というものはそういうわけにはいかないのです」。心理テストなどではよく、特徴についてをチェックしていく場合が多いです。

例を挙げると

  • 人の輪の中に入っていくことが好きなほうだ
  • 感受性が強く、自分の世界に入り込んでしまう方だ
  • 自分の行動が、社会的にどう見られているか気にしてしまう

などなど

特徴についてどの程度あてはまるか、あてはまらないかをチェックしていくことが多いように思います。

ですが、心の悩みや問題は目に見えず手に触れることもできず、科学的に数値化することも難しいのです。特徴には確かに当てはまるし、おそらくこの特徴に当てはまる性格傾向なのだろう、この特性が高くてこの特性が低いのか。などと理解できたとしても、では根本的にどのように対処すればいいのか、どのようにすれば改善できるのか?という明確な回答を知ることができない場合が多いのです。

1-4 体と心の見え方の違いを考える

見え方の違い

もしもの話です。

あなたには両腕がありませんでした。しかし、あなた自身や周囲の人はあなたに両腕がないことを知りませんでした。ある日あなたは床に置いてある荷物を移動してほしいと頼まれました。

相手もあなたが両腕がないことに気が付きません。あなたは一生懸命荷物を持とうと頑張りましたが荷物を持つことができませんでした。

なぜ自分は荷物を持つことができないのだろうか。あなたにはそれがわかりませんでした。自分以外の人は普通に重たい荷物を運んでいます。同じように運ぼうとしても全く運ぶことができないのです。

頑張ってもできないことにあなたはとてもストレスを感じました。それからも、なぜみんなできていることができないのだといつも叱られます。ある時、あなたは荷物を持とうとすることをやめてしまいました。

抽象的な内容に思えますが重要なことです。もちろん実際にはあり得ない話です。腕がないということは相手も自分も視覚で理解することができているはずだからです。ですが、心の問題はそうはいきません。目にみえないからです。

この当たり前だと思えることが「心の中では」科学が進歩した現代でもおこっているのです。

グッドアイデア

「自分が気づけていないものを認識したり受け入れることができたとき人ははじめて他の方法を模索することができるようになるのです!」

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