あなたの体験や経験を人に上手く伝えられますか?

プレゼン

人は生まれてから様々なことに体験・経験し、それらを脳に蓄積し、時にはそれらを人に伝えることで社会生活を営んでいます。それでははじめに体験と経験の違いについて分けていきましょう。

目次

1-1 体験と経験の違いってなんでしょう

体験と経験

体験とは

自分で実際に経験すること、また、その経験。

経験とは

実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。また、それによって得られた知識や技能など。

簡単に言えば、体験は、実際に体験しただけで、知識や技能として活用できていない段階で、経験はその反対といった感じでしょうか。

難しい言い方をすると、体験とは、知性的な一般化を経ていない経験で、人格的・個別的な意味を持つもの。経験とは、理念・思想や想像・記憶によってではなく、感覚や知覚によって、直接的に体験したものと定義されているといった見解もあります。

1-2 体験と経験はどちらの方がいいのでしょうか

悩む

体験と経験は、どちらが多いと良いというものではないように思います。「体験」が多ければ多い程、自分の体験と他者の体験。過去の体験と未来の体験を繋げて考えることができて、想像力豊かな視点を得ることができ、生活に大いに役立つことができます。しかし、体験は心豊かな発想や優しい行動に役立っても、より、実践的・具体的な能力を必要とする場面では欠点が多くあるかもしれません。

そうした場面で強いのが「経験」です。経験とは、感覚や知覚的なもので、自分のものにした体験と言っていいと思います。経験は体験よりも大きな範囲を感覚的に身に付けたものですから、いざという時に反射的に用いることが可能です。また、大きな枠組みの中から応用しているので、臨機応変な対処ができるというメリットもあります。ただ、言葉で明確に表現できないものなので、アピール力に欠けるかもしれません。経験している人にしか経験した人の内容というものは上手く伝わらない場合が多くあるのです。

1-3 カレーライス作りを例に挙げましょう

カレー

例えばあなたがはじめてカレーライスを作ったとします。後日、一度だけカレーライスを作ったことのある友人にカレーライスを作った際の話をしました。

カレーライスを作る過程で実際に行った作業やあまり美味しくできなかった、作り過ぎて残ってしまったという話をすると友人はその話に共感し、次々と友人がカレーライスを作った際の話をしてくれます。これらは体験レベルの話題ですが、経験レベルの話題ではどうでしょうか。

もしあなたが、カレーライスを作る中で、本質を見極めようとしていれば、経験に結びついているかもしれません。カレーライスが作れればルーを変え同じ材料を利用して、ビーフシチューやハヤシライスも作れるかもしれない、ご飯の炊き方や煮込み加減はこれがベストなのだろうか、ご飯が炊ければ炊き込みご飯もできるかもしれないぞ、煮込むという意味ではこの体験は他の料理、この野菜の切り方を覚えたら他の料理にも使えるのではないかと、体験した内容の本質を見極め、経験として落とし込み、次の新たな体験に備える準備をしているかもしれない。

しかし、その考えを友人に伝えたとしても同じように考えているとは限りません。友人はカレーライスを作るという体験をしただけで、それを次に知識・技能として活用しようとは考えていないかもしれないのです。そういった意味で体験した内容と経験した内容というものは人への受け入れられ方に大きな違いが生じるのです。

2-1 NLPのメタモデル、一般化・歪曲・省略とは

脳科学

これらの体験や経験という言葉がコミュニケーションに及ぼす影響をNLP(神経言語プログラミング)で用いられるメタモデルの一般化・歪曲・省略で説明させていただきます。

一般化とは

「なんで私だけがいつも」「みんなはいつもそうなのに」といった、あたかもそれがすべてであるかのようなプロセスを一般化と言います。同様に、「大阪の人はみんな面白いはず」というのも、一般化です。よく用いる言葉としてはいつも、すべて、一度も、絶対などの言葉も一般化として使用されます。

歪曲とは

簡単にいうと現実を歪めて表現することを言い、ものごとに因果関係や前提を自分なりの解釈で決めつけることを歪曲といいます。「あなたが失敗するから私も失敗するの」「話し掛けてくれないのは私が嫌われているからだ」などです。

省略とは

省略とは「あの人はこうだからいけないんだ」「とにかく怖いんです」など体験の特定の部分にだけ注意を向け、他の部分は除外することを言います。「いつ」「なにが」「だれに」「どのように」など具体的な情報が省略される。

2-2 一般化・歪曲・省略を意識したコミュニケーション

コミュニケーション

人に何かを体験・経験した内容を人に伝える際に、この一般化・歪曲・省略を意識すると相手に対してもストレスの少ない円滑なコミュニケーションができると言われています。メタモデルを認識することで、相手の話を聞く際に、言葉の意味が明確になり、相手のメタモデルによる制約を認識することができ、相手にとってストレスの少ない言葉かけを行うことができるようになるのです。

まとめ

一つ一つの体験を、体験にだけ留めておくのではなく、知識や技術、自分の感覚まで昇華させていく。様々な体験していても実際にそれを使用できずにいる人はどのような分野に挑戦してもうまくいくことは少ないです。「経験が浅い」だとか「経験不足」という言葉がありますが、それは、「体験」・「経験」のどちらを目指していてどちらが不十分であるのかを明確にしなければ、いつまで経っても「経験不足」は解消しません。人生や仕事で、問題が発生しないようにすることはできませんが、発生した問題に対処する能力を向上させることでストレスを軽減することは可能だと思います。体験と経験を明確にすることで、確実に目的の要素を得ることは、効率的に問題を対処することに等しい行為、つまり、自分自身を守る行為でもあります。そして、時間を有効に使うことができるのです。

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