ライフサイクル

ライフサイクルは元来生物用語、ある世代が次の世代へ交代するまでの規則的変化過程、全過程のひと回り(周期)、すなわち一生涯をいい、「生活環」と訳されています。

精神機能の規則的変化過程をみれば、当然のことながら成長に伴って発達し、老化に伴って衰えていきます。人の一生を乳幼児期、児童期、思春期、青年期、成人期、初老期、老年期などに分けると、それぞれの時期には感情的・心理的・行動的な特徴がみられます。

ヒトの一生の区分について様々な分類がなされていますが、ここでは8期に分けて紹介させていただきます。

螺旋階段

目次

1-1 乳児期

乳児期

乳児期:出生から1歳未満。
出生から1週未満を早期新生児期という。
出生から4週未満を新生児期という。

乳児期は成長・発達ともに著しい時期です。とくに出生後4週間は一生のなかで最も顕著で、子宮外から環境へ適応するために必要とされる原子反射を示す時期でもあります。

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1-2 幼児期

幼児期:1歳から6歳。
1歳から3歳までを幼児前期という。
3歳から6歳までを学童前期という。

幼少期は1歳から6歳までの期間で、この間の歩行、走行をマスターし、話し言葉を完成させ、社会性を獲得します。変化発達の著しいことから、この時期を幼少前期(1~3歳)と学童前期(3~6歳)に分けて説明されることが多いです。

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1-3 学童期

学童期新

学童期:6歳から12歳。

学童期は小学校の時期でもあるので児童期ともいい、6~12歳までを指します。一生のうちでは比較的心身が安定した時期で、疾病や死亡率は低く、精神疾患も少ないと言われています。この時期は運動能力、知的能力の発達が著しく、学校での学習、仲間づくりといった社会化が重要な課題となる時期です。

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1-4 思春期

思春期

思春期:12歳から17歳。

思春期・青年期の時期について様々な分類があります。多くの専門家は思春期は10代の身体的変化の時期をさし、青年期はおおよそ同じ年頃における心理的変化の時期を意味していると考えられています。

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1-5 青年期

青年期

青年期:18歳から30歳。

思春期・青年期の主題として、「自分とは何者か」「自分は何になりたいのか」というテーマが出てきます。学童期までは、学校の先生のような人を理想化したり、父母を理想的な人物として同一化して、自分もその人のように振る舞ったり、考えたり思ったりしていた。しかし、思春期・青年期になると、それらの理想的な人物にも、自分の気に入らないところが出たり、その人達と違う自分の存在に気づいたりしていく。このように理想化と失望の経験を通して、本当の自分とは何か、本当は自分は何をやりたいのかが、次第に浮かび上がってくる時期なのです。

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1-6 成人期

成人期

成人期:30歳から49歳。壮年期という。

一般的に30代、40代を成人期ないし壮年期とし50~64歳を初老期としている。成人期は変化の少ない比較的安定している時期で、ユングは人生における盛りとして「人生の正午」と呼びました。緊張・不安・葛藤の青年期を経て、心理的・情緒的に安定し、現実生活への反応が増す時期でもあります。

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1-7 初老期

初老期

初老期:50歳から64歳。

初老期の課題は(1)職業上の知識や技術、子育ての知識や技術を次の世代に伝達すること(2)自らの限界を認め、老いを受容することです。特に後者に関連しては女性では閉経期にあたり、ホルモンバランスの乱れから更年期障害がおこり、男性でも白髪などの老化の徴候が始まり、体力にも陰りがみられ、新しい環境への適応力も低下します。しかし、初老期は、職場でも家庭でも最も責任の重い立場にあり、周囲から期待されることも多いので、身体的にも心理的にも負担が大きい時期といえます。

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1-8 老年期

老人期

老年期:65歳以上。

老年期とは65歳以上をさします。日本では急速に高齢化者を迎え、平成18年の老人人口は総人口の20.8%を占めています。老年期には身体機能面、精神機能面で老化現象が生じてきます。様々な身体・精神機能面は20~30歳頃を頂点として、以後次第に低下しはじめますが、それらを顕在化するのは老年期といえます。

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